かかりつけ薬局について(2) H27.2.19
全快堂薬局 中藤店
駒沢 圭佑先生
かかりつけ薬局について前回に引き続きお話をしていきたいと思っています。
前回は、現在複数の病院や複数の医師からお薬が出ている患者差様の中には、それぞれの医師にお薬の情報が正確に伝わらず、そのため飲み合わせが悪かったり、お薬の名前が違っても、効果が同じお薬を複数飲んでしまい副作用などの健康被害を招いてしまうような場合でも、かかりつけ薬局を持つことでお薬の飲みあわせや同じようなお薬を複数飲んでいないかのチェックが可能となること。ご本人が忘れていたとしても、ご本人のアレルギー情報であったり副作用情報などがかかりつけ薬局には蓄積されているため、飲み合わせの悪いお薬のチェックができ健康被害を未然に防ぐことができること。お薬や健康などに関する相談を気軽に立ち寄っていただけることなどを、かかりつけ薬局をもつメリットとしてお話しました。
今回は、そのメリットを実際の事例を交えて紹介していきたいと思います。
まず一つ目の事例ですが
以前風邪をひいて、風邪の菌を抑える抗生剤が処方された患者様なのですが、お薬を飲んだ後に体中ブツブツが出たことのある方でした。薬が体に合わないせいで発疹が出てしまう「薬疹」という副作用でした。
その後、しばらくたってからまた風邪をひいてしまい違う病院で抗生剤を処方されました。お薬の名前などはまったく違いますが以前副作用が出た同じタイプの抗生剤が出されていたのです。これをお薬のチェック時に発見でき、この患者様の健康被害を未然に防ぐことができました。これは、かかりつけ薬局で依然からの副作用情報があったからだと考えています。
次の事例の患者様は、私の薬局に定期的に処方せんをもって来られる男性です。
この方は定期的に皮膚科のお薬が出ている方で、最近健康管理に気をつけたいとおっしゃっており、良く聴くとどうやらタバコを止められなくて困っているようでした。
初めは、ガムや飴などで置き換えることや一週間かけてタバコの本数を一本ずつ減らすことなどいくつかの禁煙方法の簡単なアドバイスをさせていただきました。しかし、本数は減りましたがやはりやめることはできなかったため、ご本人の住所から近い禁煙外来をいくつか紹介させていただきました。その中に患者様のかかりつけ医も入っていたとのことで感謝していただけました。
最後の例は
高齢者の男性ですが、お薬をお渡しするときに、いつも話している感じとは違いました。その後一緒にいるご家族の方に認知症の前兆の可能性があるので一度医師に見ていただいたほうがよいのではないかとお話したのですが、
「そんなはずはない。ただ構って貰いたいだけでわざとやっている」
とのことでした。その後何度か患者様の娘さんとお話しているうちに患者の娘さんが気にかけるようになり、納得して受診していただけることになりました。診断の結果、認知症の初期段階で、早期発見につながり感謝していただくことができました
かかりつけ薬局はお薬の情報提供だけでなく、食事に関することやたばこに関することなどの健康相談も喜んでお受けいたします。処方箋がなくても気楽にお立ち寄りください。また、毎回ご利用されているかかりつけ薬局であれば患者様の小さな変化にも気づくことも可能だと考えております。
ご近所の薬局でも顔なじみの薬局でも良いのでご自身に合った薬局を見つけて、かかりつけ薬局として活用いただけたらと思っております。