福井市薬剤師会

ラジオ「教えて薬剤師さん」

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かかりつけ薬局について H27.2

                                  全快堂 中藤薬局
                                    有田 論先生
「かかりつけ薬局」とは?
「かかりつけ医」なら聞いたことがあるけれど,「かかりつけ薬局」はあまり聞いたことがないという方が多いかもしれません。ですが,最近は「かかりつけ薬局」の必要性が特に注目されています。
 かかりつけ薬局とは,使用方法や疑問等、薬に関するあらゆる相談に応じ,情報提供してくれる薬局のことです。「かかりつけ医」が普段の健康管理や万が一病気になったときの心強い味方だとすれば,「かかりつけ薬局」は、薬の面から健康管理のサポートをしてくれる場所です。どの病院にいってもいろいろな薬局に行かずに一ヶ所に決めて「かかりつけ薬局」、できれば「かかりつけ薬剤師」を持っていただくことができたら、皆さんの生活もより安心できるものになるのではないでしょうか。
「かかりつけ薬局」のメリットとは?
薬の重複や飲み合わせによる副作用を未然に防げる
現在、複数の病院や医師に通院している方の中には、それぞれの医師から処方された薬の内容がそれぞれの医師に十分に伝わらない場合もあります。そのため、同じような成分の薬を2種類以上飲んでいることや副作用が強くでる組み合わせの薬を飲んでしまうことが起こりえます。
しかし「かかりつけ薬局」を持つことで、各病院から出された処方薬の情報が一ヶ所に集まります。そのため薬局の薬剤師は同じ効果の薬が別の病院から出されていないか、飲み合わせによる副作用が生じないかなどを、しっかりチェックできるようになります。それにより、薬による健康被害を未然に防げます。
もちろん、市販薬や健康食品との飲み合わせも確認しています。
薬歴(薬の服用の記録)を作ることで、安全に、より適正した薬剤を服用できる
薬局では、お薬をお渡しした際に記録を残します。そのため、ジェネリック医薬品を利用したい、カプセルは飲みにくく錠剤がいい、大きな錠剤はのみにくい、苦い薬は苦手といった患者さんの要望も記録しており、その情報を医師へ伝達し提案をすることで、より飲み易い薬剤に変更したり、飲み方のコツや工夫を伝えることで、服用のお手伝いができます。
また、以前薬を服用して起こした副作用(抗生剤、痛みどめを服用して発疹がでたなど)や牛乳・卵などのアレルギー歴に関する情報も記録しており、過去のことで本人が忘れていたとしても、服用しても問題ないかを確認できます。
気軽に立ち寄れ、些細なことも相談できる
何よりのメリットは、顔を覚えている(覚えられている)気安さから、不必要な遠慮や緊張が取れ、コミュニケーションの垣根が低くなることです。「こんなこと聞くと恥ずかしい」という気持ちは誰にでもありますが、なじみのお店に行った際、ちょっとした会話が弾むように、いつもの薬剤師なら「ついでにこれも聞いておこうかな」と思い、実際に聞きやすくなるのではないでしょうか。
処方箋がないと入りにくいといった声もよく聞きますが、ご自身だけでなくご家族のことでも、他の病院や薬局でもらった薬のことでも、サプリメントや健康に関することでも、何でも結構ですので、その町の保健室、健康支援ステーションと思っていただいて、気楽にかかりつけ薬局に立ち寄って頂ければと思います。薬剤師は喜んで対応致します。

かかりつけ薬局を持つと、医薬分業の恩恵を最大限に受けられるようになります。自分にあった薬局を見つけて、ご自身の健康管理に活用しましょう。


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