生活習慣病についてH26.12
全快堂薬局若杉店
刀禰 真紀
偏食、運動不足、喫煙、ストレス・・。生活習慣病はその名の通り、ふだんの生活習慣が発症や進行に深く関わっています。高血圧・脂質異常症・糖尿病・肥満は「死の四重奏」と呼ばれ、もちろん単独でも恐ろしい病気ですが、合併すると命にかかわる危険が増してしまいます。
では、生活習慣病にかかると血管にどんな異変があらわれるのでしょうか?生活習慣病は、動脈硬化をもたらします。動脈硬化とは、動脈が硬くなり弾力性を失ってしまうことです。血管壁にコレステロールなどがたまり、血液の流れが悪くなります。さらに重症になると、血栓がつまって、血管を完全にふさいでしまいます。
高血圧・脂質異常症・糖尿病のことを「サイレントキラー」と呼ぶことがあります。それは、自覚症状がほとんどないまま、体の中で動脈硬化が静かに進行するからです。そのまま病気に気づかずに、また気づいても「自分は大丈夫」と治療をせずに放っておくと、ある日突然心筋梗塞や脳梗塞などが起こり、取り返しのつかないことになりかねません。
生活習慣病の改善キーワードは「食事」と「運動」です。
まず「食事」についてです。偏食、食べ過ぎ、外食、不規則な食事時間・・。 食生活には、生活習慣病の大敵がいっぱいです。できることから少しずつ、改善していきましょう。
毎日の食生活を思い浮かべながら、チェックしてみましょう。
・野菜や果物をよく食べるようにする
・1日30品目。いろいろな食材をとる
・お肉よりも魚を多くとる
・植物油を使う機会を増やす(オリーブ油、大豆油など)
・ラーメンやうどんなどの汁は残す。漬け物類はひかえめにする
・少ない量で満腹感を得るために、ゆっくり食べる
・腹8分目にしておく
・外食時もできるだけ品目の多いメニュー(定食など)にする
ただし、注意が必要な場合があります。野菜・果物の過剰摂取は、高カリウム血症をひき起こす可能性があるため、腎臓の病気の方にはおすすめできません。また、糖尿病の方には果物の過剰摂取がカロリーの増加につながることがあるので、おすすめできません。病気のことだけでなく、食事のことで迷ったり分からないことがあれば、薬剤師または栄養士に相談してください。かかりつけの薬局でも食事療法についてアドバイスを受けることができます。
次に「運動」です。デスクワークに、車の普及など、現代人が運動不足になりがちな理由は様々です。生活習慣病にかかってしまったら、こまめに体を動かす心がけをしましょう。どんな運動でもいいわけではありません。効果的とされているのは、全身を動かして大量の酸素をとりこむ有酸素運動です。ウォーキングや水中歩行、サイクリングなど、無理なく続けられそうなものを実践してください。
生活習慣病は食事や運動など、日々の小さな努力で改善することができます。今日から始めてみませんか?